オルタードP5thスケールについて - BASSタートルズ -ベースライン構築ナビ-

オルタードP5thスケールについて

万能スケール?
当サイトに度々登場する「オルタードP5thスケール」ですが、このスケールは一般理論では扱われていない、こちらで勝手に作り上げてしまった独自の解釈から成り立つドミナントスケールです。

因みにP5thは「パーフェクト・フィフス」のことで、完全5度の意味に当たります。今回はそんな「オルタードP5thスケール」について、一から詳しくご紹介させて頂きます。

🐢まずは普通のオルタードスケールなどについて

まずは一般で扱われる普通のオルタードスケールなどの成り立ちについてですが、その内容に触れる前に、それらドミナントスケールのルート音を「E音」に設定する理由からお伝えします。

Key=C(=Am)を用いて、オルタードスケールなどのマイナーコードに対するドミナントスケールを解説する際には、便宜上「E音」をルートとした「Eオルタードスケール」などを想定します。

その理由は、Key=C(=Am)のマイナートニックコードであるAm7に対してドミナントモーションをするコードがE7(b9)=E7altなので、そのドミナントスケールを想定した「E音」が最適なわけです。

マイナードミナントスケールの基本形はフリジアン?

ハーモニックマイナースケールP5thビロウ」などにも同じことが言えますが、マイナーコードに対するドミナントスケールの基本形は「フリジアンスケール」だと解釈できます。

Key=C(=Am)を用いて解説すると、まずはトニックマイナーのAm7に対してドミナントモーションを仕掛ける完全5度の位置から弾き始めたスケールが「Eフリジアンスケール」です。

そのEフリジアンの♭3rdG音」を半音上げて♮3rdG#音」にすると、マイナーコードに対するドミナントスケールである「EハーモニックマイナースケールP5thビロウ」へと変わります。

同じくEフリジアンのP4thA音」とP5thB音」を半音下げれば今度は「Eオルタードスケール」にも変わり、実はEフリジアン「それ自体」もE7(b9)でのドミナントスケールとして機能します。



🐢そしてオルタードP5thスケール

そして今回の主役である「オルタードP5thスケール」ですが、これもフリジアンの変形系です。

EフリジアンのP4thA音」を半音下げて♮3rdAb」にすると「EオルタードP5thスケール」に変わります。これは普通のEオルタードスケールの5thBb音」を半音上げてP5thB音」にした場合でも結果的には同じことで、つまりスケール名の「P5th」はそこから由来しています。

オルタードP5thは万能スケール

こちらは、E7(b9)=E7altに対する各ドミナントスケールの構成音の一覧です。
ヘ音五線譜「Eドミナントスケール各種」

全てのコードトーンをカバーしつつその他のトーンが存在しないのは「オルタードP5thスケール」のただ1つです。またオルタードテンションの中でも「#11th」はわざわざ避けて弾くことまであるとても扱いにくいノートなので、それが構成音に存在していないことも大きな利便性になります。



🐢オルタードP5thの異名同音スケール

通常のメジャースケール(=イオニアンスケール)も弾き始める音が異なる際には、ドリアンスケールやリディアンスケールなどの、呼び名が違う「異名同音スケール」に変わります。

そして、今回の主役である「オルタードP5thスケール」にも異名同音スケールが存在します。

Cイオニアンb13thスケール

EオルタードP5thスケールを「C音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Cイオニアンb13thスケール」

Dドリアンb5thスケール

EオルタードP5thスケールを「D音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Dドリアンb5thスケール」

EオルタードP5thスケール

今回の主役である「E音」から弾いたEオルタードP5thスケールです。
ヘ音五線譜「EオルタードP5thスケール」

Fメロディックマイナー#11thスケール

EオルタードP5thスケールを「F音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Fメロディックマイナー#11thスケール」

Gミクソリディアンb9thスケール

EオルタードP5thスケールを「G音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Gミクソリディアンb9thスケール」

Abリディアン#9#5thスケール

EオルタードP5thスケールを「Ab音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Abリディアン#9#5thスケール」

Bロクリアンbb7thスケール

EオルタードP5thスケールを「B音」から弾いたスケールです。
ヘ音五線譜「Bロクリアンbb7thスケール」



🐢実際のスケールの使用方法について

オルタードP5thスケール」を実際に使用する方法は、以下の記事にてご紹介しています。

オルタードP5thに焦点を当てて詳しくご紹介しています
実はとても単純なジャズアドリブソロでのオルタードテンションの扱い方
オルタードP5thを含めた総合的な演奏方法をご紹介しています
Ⅰ-Ⅵ-Ⅱ-Ⅴが理解できれば殆どの曲でアドリブソロを弾ける理由【前編】
オルタードP5thについて少しだけ触れています
ウォーキングベースでⅡ-Ⅴを弾く一番簡単な方法【マイナー編】


重要なポイントだけをまとめると
上記の記事における重要なポイントだけを順序立てて抜粋します。(Key=C=Am)

マイナートニックAm7にドミナントモーションするのが「E7(b9)
メジャートニックCM7にドミナントモーションするのが「G7
ドミナントコードE7(b9)で使用できるのが「EオルタードP5th
ドミナントコードG7で使用できるのが「Gミクソリディアンb9th
EオルタードP5thとGミクソリディアンb9thは「異名同音スケール
同じコード機能へのドミナントスケールは「共通で使用できる



🐢最後に

今回は「オルタードP5thスケール」についてご紹介しました。

普通のオルタードスケールよりも簡単で扱いやすいスケールです。実際に有名なジャズリックなどでも、実はこのスケールが当てはまるスレーズが存在するので、是非とも参考にしてみて下さい。

ジャズは「自由な音楽」なので、こんなのもアリ(🐜)じゃないですかね(❗❓)

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