前々回、前回と、一発ものファンクにおけるリフの発展や展開についての例をご紹介してきましたが、今回はその一発ものファンクにおける「ベースソロ」についての例や考え方をご紹介します。
因みに「スラップ奏法」を使用したソロについては、今回は触れておりません。
バッキングの場合なら、ギターはカッティング、ドラムは16ビートなど、いかにもファンクらしいと思わせる形が存在しますが、それが「ソロ」になってしまうと、時にはブルース風であったり、時にはジャズ風であったりと、他ジャンルをファンクに当てはめて弾いている雰囲気があります。
それを逆に捉えれば、ジャンルに囚われない何かしらの形で「メロディ」か「リズム」を表現するだけで、ファンクにおけるアドリブソロは成立するとも解釈できます。
因みに「スラップ奏法」を使用したソロについては、今回は触れておりません。
🐢ファンクにおける「ソロ」のあり方
まず始めにファンク音楽における「ソロ」のあり方ですが、ベースソロだけではなくギターソロの場合などでも、これといった「ソロの形」は他のジャンルに比べて確立されていないと感じます。バッキングの場合なら、ギターはカッティング、ドラムは16ビートなど、いかにもファンクらしいと思わせる形が存在しますが、それが「ソロ」になってしまうと、時にはブルース風であったり、時にはジャズ風であったりと、他ジャンルをファンクに当てはめて弾いている雰囲気があります。
それを逆に捉えれば、ジャンルに囚われない何かしらの形で「メロディ」か「リズム」を表現するだけで、ファンクにおけるアドリブソロは成立するとも解釈できます。
🐢ベースが「ソロ」で出来ること
ファンク音楽において「ベースソロ」を演奏する際には、以下のような選択肢が存在します。
①メロディーを弾く
ソロとしては最もポピュラーな手法で、ハイポジションなどを使用してメロディアスなフレーズを演奏します。バッキングではスタッカートで歯切れ良く演奏するのに対して、ソロではテヌートで音を伸ばして演奏することにより、セクションにメリハリが付いて分かりやすい特徴があります。
②細かい音符で埋めて弾く
先程とは逆に、音を伸ばさないスタッカートを主体に細かい16分音符などで埋めて弾く手法です。注意点としては、細かい音符を延々と弾き続けてしまうと聴いている側も疲れるので、気持ち長めの休符を挟んで、いざ弾く時にだけ音を畳み掛けて埋めると、バランスが良くなるかと思います。
③バッキングを弾き続ける
前項の2手法がギターソロ/サックスソロ的だとすれば、本項の手法はドラムソロ的だと言えます。この手法に限っては他のメンバーにバッキングの配慮をしてもらう必要があり、ドラムソロで他のメンバーが長い休符を入れたり、ブレイクを挟んだりして成立させている形式に近い内容です。🐢まずは「メロディーを弾く」から
こちらの音源は、前々回/前回でも使用したAm9のコード「一発」で弾いたベースソロの例です。部分的に細かい音符も使用していますが、全体としては長めの音価でハイポジションを織り交ぜながら演奏しています。またソロの全体の構成としては、始まりを休符にすることで聴いている側にセクションの切り替わりを意識させて、締め括りは早めにバッキング的フレーズに戻っています。
また、実際の演奏における技術面としては、ビブラート、ハンマリング/プリング、チョーキングなどの「左手の表現」が、メロディープレイではとても重要なファクターになります。
使用しているのは、前々回/前回と同じく「ブルーノートスケール」のみです。
ベースソロの「終わり方」
上でも少し触れましたが、締め括りでは早めにメロディー演奏を切り上げて、一足先にバッキングに近い雰囲気のフレーズを弾き始めています。(6小節目の4拍目から8小節目にかけて)ソロが終わって唐突にバッキングへ戻ると、少し露骨で気恥ずかしいとも感じる場合があるので、それの対処法として、徐々にスタッカート的なフレーズでローポジションの方へとシフトをして、セクションの境界線をあやふやにすることを狙っています。
ジャズにおけるベースソロの終わりにウォーキング演奏で締め括る考え方に近いかも知れません。
🐢次は「細かい音符で埋めて弾く」
こちらの音源もAm9のコード「一発」で弾いたベースソロの例です。先程の「メロディーを弾く」と比較をすると、メロディアスではなくリズミカルな雰囲気に変っています。冒頭でお伝えした通りに長めの休符を挟みつつ、要所要所で細かい16分音符を畳み掛けるかのように演奏しています。音使いはこちらでも「ブルーノートスケール」のみです。
6小節目では「同じフレーズ」を繰り返して弾いていますが、これはリズミカルな表現においてはとても効果的な手法です。また「ゴーストノート」も多用しており、こちらも同じく効果的です。
ベースソロの「終わり方」
全体の構成としてバッキングに戻る準備を始めている箇所は、強いて言うのならば8小節目の3拍目あたりからで、取りあえずはローポジションに移動することだけを考えています。ソロ自体が多少リズミカルで若干バッキング寄りな印象があるので、セクションの境界線が露骨に伝わる心配はあまりなく、また仮に準備を怠ったとしても事故には至らないケースが多いです。
🐢最後は「バッキングを弾き続ける」
こちらの音源もAm9のコード「一発」で弾いたベースソロの例です。こちらのベースラインは、前々回の「一発ものファンクリフを発展させる方法/前編」で登場したいくつかのバッキングリフを、シンプルにつなぎ合せて構成したものです。しかし今回の音源だけに限っては、伴奏の「ギターカッティング」に変化が加えられています。
冒頭で、この手法は「他メンバーの配慮で成り立つ」とお伝えしましたが、ここでその「配慮」をしてくれているのが、ギターパートということになります。
実際このベースラインにおいては、ベーシスト自身が「ソロを弾いている」という意識はあまりなく、普段通りに少し攻めたバッキングをしているところを、ギタリストがあたかも「ベースソロ」かのように演出してくれているわけです。ドラムの「ビートソロ」も同じ形式で成立しています。
使用しているのは、こちらでも「ブルーノートスケール」のみです。
ベースソロの「終わり方」
この手法についてはお伝えするまでもなく、そのままバッキングを弾き続ければ良いわけです。🐢番外編:他メンバーに「もりあげて」もらう
先程の「バッキングを弾き続ける」は、ギターパートの配慮によってベースソロが成立しました。そこで今度は別の配慮もしてもらい、ベースソロを「もりあげて」もらいます。ソロフレーズは「メロディーを弾く」と「細かい音符で埋めて弾く」での両音源を、そのまま再利用します。
「メロディーを弾く」をもりあげてもらう
ギターパートが先程までのAm9のワンコードをやめて、同じAm7系においての「Ⅱ-Ⅴの分解」や「テンションノートの切り替え」に発展しています。因みにⅡ-Ⅴの分解にて「D7系」のコードがいくつも登場していますが、これはAm7系コード一発の範疇に収まると考えて良いかと思います。
「細かい音符で埋めて弾く」をもりあげてもらう
こちらも先程と同じ構成です。同じベースソロを弾いていても、他メンバーの演奏の内容によって印象がここまで変ります。逆にいえば、普段ギターや他メンバーがソロを演奏しているときに弾くベースの「バッキング」が、各々のソロの印象をいかに左右するかを考えさせられます。
🐢マインスワン(カラオケ)
Am9コード一発16小節
Am9コード一発16小節(ギター:休符)
Am7系コード発展16小節(ギター:もりあげ)
🐢最後に
今回は「一発ものファンクにおけるベースソロのあり方」をご紹介しました。いずれにせよ「ソロ」は、周りのメンバーに支えられて成立しているということですね。
ファンクは「熱い音楽」なので、こんなのもアリ(🐜)ですよね(❗❓)
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