過去には「一発もの」におけるファンクリフの発展や展開についてご紹介(前編/後編)しましたが、今回も同じファンクにて「コード進行もの」であった場合のフレージングについてご紹介します。
タイトルにもある通り、そのKeyにおける「ダイアトニックスケール」を活用する手法です。
例えば上のコード進行(Key=Am)の場合は、2小節目のAm7が「一発コード」の近似的存在であり、1小節目のFM7とE7が、その一発コード(Am7)に向かう「助走的な役割」を担っているわけです。
ジャズやポップスでは、トニック/サブドミナント/ドミナントなどを、ある意味「平等」に扱ってコード進行を構成しますが、ファンクの場合はトニックだけが「独立」して扱われている雰囲気があり、それはもはやトニックというよりも「一発コード部分」として区別することができます。
そしてその他のコードは、そこへと向かう「助走コード部分」として区別することができます。
この「一発コード部分」については、冒頭でもお伝えした過去記事(前編/後編)をご参照ください。
左の2小節は先程にも登場した「Key=Am」でのコード進行ですが、右の2小節の場合でも同じく「Key=Am」として扱います。後半のコードタイプが「ドミナント7th」であるにもかかわらず。
トニックとして独立した「一発コード部分」は、ドミナント7thコードに対してマイナーKeyを弾くといったブルース的アプローチを始めとする、ルート音以外における自由な構築が展開されます。
対して、常にダイアトニックKeyを意識する「助走コード部分」は、助走の行き付く先が「A7」であっても、あたかもトニックの「Am7」に向かうかのつもりで調性を守って突き進んで行きます。
つまり「助走」から「一発」に辿り着いた時点で意識を切り替える必要があり、ある意味では転調にも近いと言えるこの現象のことを「トニックの独立」と表現しているわけです。
タイトルにもある通り、そのKeyにおける「ダイアトニックスケール」を活用する手法です。
🐢ファンクにおける「コード進行」の考え方
ファンクミュージックの基本はやはり「一発コード」であり、もしそこに「コード進行」があるとするならば、それはその一発コードへ向かう「助走的な役割」を担うコードが多いかと思います。例えば上のコード進行(Key=Am)の場合は、2小節目のAm7が「一発コード」の近似的存在であり、1小節目のFM7とE7が、その一発コード(Am7)に向かう「助走的な役割」を担っているわけです。
ジャズやポップスでは、トニック/サブドミナント/ドミナントなどを、ある意味「平等」に扱ってコード進行を構成しますが、ファンクの場合はトニックだけが「独立」して扱われている雰囲気があり、それはもはやトニックというよりも「一発コード部分」として区別することができます。
そしてその他のコードは、そこへと向かう「助走コード部分」として区別することができます。
一発コード部分
このセクションを構成するコードタイプは「マイナー7th」か「ドミナント7th」が一般的であり、ベースパートはいずれにせよ「ブルーノートスケール」を中心に構築します。ダイアトニック的なKeyの意識はあまりせずに、それこそ「一発コード」のつもりで、このセクションを扱います。この「一発コード部分」については、冒頭でもお伝えした過去記事(前編/後編)をご参照ください。
助走コード部分
一方このセクションは前項とは相反して、ジャズやポップスの如くダイアトニック的にKeyを意識してベースラインを構築します。その際は一旦ファンク音楽であることを忘れてしまって良いかも知れません。そしてこの「助走コード部分」こそが、今回のテーマの主役になります。🐢ファンクにおける「Key」の考え方
お伝えした通り、ファンク音楽における「トニック」は独立していると考えます。左の2小節は先程にも登場した「Key=Am」でのコード進行ですが、右の2小節の場合でも同じく「Key=Am」として扱います。後半のコードタイプが「ドミナント7th」であるにもかかわらず。
トニックとして独立した「一発コード部分」は、ドミナント7thコードに対してマイナーKeyを弾くといったブルース的アプローチを始めとする、ルート音以外における自由な構築が展開されます。
対して、常にダイアトニックKeyを意識する「助走コード部分」は、助走の行き付く先が「A7」であっても、あたかもトニックの「Am7」に向かうかのつもりで調性を守って突き進んで行きます。
つまり「助走」から「一発」に辿り着いた時点で意識を切り替える必要があり、ある意味では転調にも近いと言えるこの現象のことを「トニックの独立」と表現しているわけです。
🐢助走コードを「ルート + スケール」で弾く
こちらの音源はKey=Amの4小節で、奇数小節が「助走」、偶数小節が「一発」の構成です。
一発コード部分
Am7が分解されて「A7sus4」と「D9(onA)」にてバリエーションを展開していますが、その場合においても、ベースパートはシンプルに「Aブルーノートスケール」のみで構築されています。
テンションノートの切り替えなどで一発コード部分に複数のバリエーションが存在したとしても、ベースパートはそれらを大きな括りで「Am7(またはA7)」として扱いラインを組み立てています。
助走コード部分
ようやく今回のメインテーマです。FM7とE7は「Key=Am」のダイアトニックコードなので、共通で使用できるスケールとして「Aマイナースケール(=Aエオリアン)」が存在します。FM7とE7から見ると「Fリディアン」と「Eフリジアン」になるわけですが、E7でEフリジアンを使用することについては「過去記事」でもお伝えしている通り、テンションノート的には問題ありません。助走コード部分
そして先程のベースラインをご覧ください。
FM7とE7のルート音以外の箇所が「同じフレーズ」で構成されています。そしてその全ては単純な「Aマイナースケール」だけを弾いたラインで、ルート以外のコードトーンは意識していません。
つまりこの「助走コード部分」においては、ダイアトニックKeyの1つのスケールだけを弾きつつ、各々のコード頭でのみ「ルート音」を押さえることで、そのコード進行を表現しています。
助走コードが「異なっても」
こちらの音源も同じくKey=Amの4小節ですが「助走」の部分のコード進行が先程とは異なります。FM7とE7であったコード進行がDm9とG7に変化していますが、実は先程のFM7/E7で使用していたフレーズの「ルート音」だけを、D音/G音に入れ替えて構成したベースラインになっています。
Dm9とG7も「Key=Am」のダイアトニックコードなので、先程の「Aマイナースケール」のラインをそっくりそのままルート音以外で使用できます。やはりコードトーンは意識していないのです。
🐢もっと「自由」にスケールを使う
先程までにご紹介した2つのベースラインは、解説する目的から「同じフレーズ」をあえて多用していましたが、実際の演奏ではスケールの構成音を自由自在に組み合わせて構築ができます。「Aマイナースケール」だけで自由に構築したラインの例を、2つのコード進行でご紹介します。
FM7-E7のライン
コードの頭の箇所では、しっかりと「ルート音」を押さえています。因みに「一発コード部分」に関しては、先程から同じベースラインを使用し続けています。(そちらはAブルーノートスケール)
Dm9-G7のライン
こちらも同じくコード頭は「ルート音」が押さえられ、その他のノートは「Aマイナースケール」にて構築されています。まさしくこれらが「コード進行をスケールでつなぐ」になるわけです。
🐢マインスワン(カラオケ)
助走コード「FM7-E7」16小節
助走コード「Dm9-G7」16小節
因みにDm9は、FM7のベース音を「D音」にして構成されるコードでもあるので、ベースパートが不在であるマイナスワン音源おいて、今回は同一のコードサウンドになっております。
🐢最後に
今回は「コード進行をスケールでつなぐファンクベース」をご紹介しました。早い話が「ルート音」だけを意識しつつ、それらを「1つのスケール」でつなぐだけです。
ファンクは「熱い音楽」なので、こんなのもアリ(🐜)ですよね(❗❓)
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