「ファンクミュージック」におけるベースの役割はとても重要であり、ベースが弾くリフそのものが曲の印象を左右します。つまりはベースパート自体が「曲の顔」を担っているわけです。
そんな主役の立場とも言える「ファンクリフ」ですが、そのリフがコロコロ変わってしまうと楽曲の印象が薄くなるので、基本としては同じ1つのフレーズを繰り返す「一発リフ」を多用します。とはいえ、1つのリフだけを最後まで弾き続けるとなると、多少の変化も求められます。
そこで今回は、リフの印象を極力崩さずして「フレーズを発展」させる方法をご紹介します。
そんな主役の立場とも言える「ファンクリフ」ですが、そのリフがコロコロ変わってしまうと楽曲の印象が薄くなるので、基本としては同じ1つのフレーズを繰り返す「一発リフ」を多用します。とはいえ、1つのリフだけを最後まで弾き続けるとなると、多少の変化も求められます。
そこで今回は、リフの印象を極力崩さずして「フレーズを発展」させる方法をご紹介します。
🐢基本リフと「フリースペース」
こちらの音源は、Am9のコード「一発」で弾いたファンクリフの例です。全ての小節において「1-3拍目」の部分は同じフレーズが弾かれており、それに対して「4拍目」の部分だけは、休符であったり別のフレーズであったりと、異なる演奏がされています。
この構成は、1-3拍目を「リフの基本形」のセクションとして扱い、4拍目を「フリースペース」にして毎回自由な演奏をできる空間にしています。そしてこの「フリースペース」においては、自由に演奏をするうえで心がける点をあげると「あまりドラムを意識し過ぎない」ことです。
ファンクミュージックでは、ベースとドラムのコンビネーションが最も重要であることは言うまでもありませんが、それを意識し過ぎるがゆえにベースの「フレーズバリエーション」を大きく狭めてしまいます。ドラムを意識しないとは言うものの、実際にドラム演奏が聴こえてくると、無意識でもそのリズムに引っ張られてしまいます。つまりは「意識しないぐらい」が丁度良いわけです。
🐢リフ発展における「リズム」と「音使い」
こちらの音源は、先程のベースリフを「発展」させた例です。先程の音源に比べて「フリースペース」の占める割合が大幅に増えています。また「1-3小節目」に関しては基本リフの雰囲気が残りつつも、「4小節目」に限っては頭から完全に異なるフレーズが弾かれています。この4小節目の部分については、後程に解説いたします。
リズム(譜割)について
1-3小節目の「1-2拍目」の部分は基本リフと同じリズム(譜割)を継承しており、1拍目に至っては「音使い」まで基本リフと全く同じです。つまり1-3小節目における完全なる「フリースペース」は「3-4拍目」の部分であり、そのセクションでのみ自由な演奏がされています。よって、1-3小節目の「2拍目」の部分に関しては、変化しているのは「音使い」だけになります。
音使いについて
使用しているのは「ブルーノートスケール」の1つのみで、一発ものファンクではコードタイプが「マイナー7th」でも「ドミナント7th」でも、このスケールが使用されるケースが大変多いです。またブルーノートスケールにも様々な構成音のパターンが存在していて、音源で使用しているのは「ドリアン+ミクソリディアン+♭5th」で構成された、複合的なスケールのパターンです。
そして話は音源に戻りますが、1-3小節目の「2拍目」では音使いに限った変化がありました。実はその変化にはある規則性があり、基本リフの2拍目を受け継ぐ「半音の音使い」がされています。
使用している「ブルーノートスケール」には、半音でつなげられるノートが複数の箇所に存在しており、これらを多用することによって、ファンク独特の訛ったような雰囲気を演出できます。
以下が半音の組み合わせが可能なノートのペアです。
①9th +♭3rd ②♭3rd + 3rd ③3rd + 11th
④11th +♭5th ⑤♭5th + 5th ⑥13th +♭7th
続く3-4拍目の「フリースペース」では、基本リフのリズム(譜割)から解放されることにより、さらに自由な演奏のなかでブルーノートスケールの特徴である「半音の音使い」が活用されています。
4小節目について
この「4小節目」でのみ、小節間を通して基本リフの形を継承しない独自の演奏がされています。譜面上では小節の全体を「フリースペース」として扱っていますが、事実上は「短いベースソロ」とも言えて、先程までの基本リフの繰り返しに対して、大胆な「変化」をアピールしています。楽曲は基本として「4小節ごとを節目」にしており、その節目の終尾である4小節目や8小節目は、最も「変化」を付けやすい場所であり、またそれを他から求められる場所でもあります。音源ではあえて「1拍目の頭を休符」にして、それまでの基本リフとの違いを積極的に演出しています。
この休符の手法は、あれやこれやとフレーズを詰め込むよりも、単純でありながらインパクトがあります。またこの節目の終尾の部分は、思い切ったフレージングを試みて失敗したとしても、次の節目の頭である5小節目などで基本リフに上手く戻れさえすれば、案外誤魔化しが利く場所です。
つまり重要なのは「後始末」であり、それさえ出来ればアンサンブルをさらに「もりあげる」ことも可能です。例えば曲の節目の尺を狭めてしまえば、より緊張感が増した展開をも作り出せます。
🐢2小節を節目にして「もりあげる」
こちらの音源は、先程のベースリフを「さらに発展」させた例です。先程までの「4小節ごとの節目」ではなく「2小節ごとの節目」に変っています。
楽曲の全体を「2小節ごとの節目」にすると少々しつこいので、使用すべき良きタイミングは曲中の「もりあがり」のセクションです。もはや「フリースペース」が大半を占めるこの展開は、逆に言ってしまえば1小節目と3小節目の「頭の部分」だけをしっかりと押さえておけば良いわけです。
つまりそれが「後始末」であります。
🐢マインスワン(カラオケ)
こちらの音源は、先程のAm9のコード「一発」を、16小節間繰り返したマイナスワンです。フレーズを発展させる際には「あまりドラムを意識し過ぎない」ことも心がけてみてください。
🐢最後に
今回は「一発ものファンクリフを発展させる方法/前編」をご紹介しました。次回「後編」では、基本リフの継承ではなく「場面転換」を思わすフレージングをご紹介します。
ファンクは「熱い音楽」だから、こんなのもアリ(🐜)ですよね(❗❓)
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