ジャズブルースにおけるアドリブソロの考え方【メジャーブルース編】 - BASSタートルズ -ベースライン構築ナビ-

ジャズブルースにおけるアドリブソロの考え方【メジャーブルース編】

メジャー=マイナー
前回の「マイナーブルース編」に引き続き、今回は “ ある理由 ” にて後回しにするとお伝えした「メジャーブルース編」です。前回をお読みでない場合は、是非そちらから先にご覧ください。

実はこのメジャー/マイナー2種類のブルースには、表裏一体とも言える密接な関係があります。

🐢メジャーブルースのコード進行

こちらのコード進行は、Key=C(=Am)のメジャーブルース12小節です。
コード譜「Cメジャーブルース12小節」
今回はこのコード進行を題材にして話を進めていきます。



🐢メジャーブルース=マイナーブルース?

いきなりですが、こちらは前回に登場したマイナーブルース Key=Cm(=Eb)の音源です。
ベースTAB譜「Cマイナーブルース12小節」2アプローチ組み合わせ
後半にご紹介した「ブルース的アプローチ」と「ビバップ的アプローチ」を組み合わせたパターンの1つ目です。ここで弾かれている全てのフレーズに注目をしつつ、次の音源もお聴きください。

こちらは今回で初登場となる、メジャーブルース Key=C(=Am)の音源です。

ベースTAB譜「Cメジャーブルース12小節」2アプローチ組み合わせ①
お気づきでしょうか? 先程の「マイナーブルース」で弾かれている全てのフレーズを、そっくりそのまま「メジャーブルース」でも使用しています。

「ブルース的アプローチ」の部分に関してはまだ良しとしても、「ビバップ的アプローチ」の部分に関しては、「Key=C=Am」の中で「Key=Eb=Cm」のスケールを使用していることになります。

例えば9小節目のDm7ではFドリアンが弾かれており、それはすなわちDロクリアンを弾いているのと同じことです。ご存知の通り、本来であればⅡm7であるDm7にはDドリアンが使用されます。



🐢前回の音源を「メジャーブルース」に置き換える

前回の「マイナーブルース編」に登場した別の音源も「メジャーブルース」に置き換えてみます。先程と同じく、ソロフレーズをそっくりそのまま残して、コード進行だけを入れ換えます。

①ブルース的アプローチでの音源

こちらは前回に登場した「ブルース的アプローチ」でのマイナーブルースの音源です。

ベースTAB譜「Cマイナーブルース12小節」ブルース的アプローチ

そしてこちらが、同じソロフレーズをメジャーブルースに置き換えた今回の音源です。

ベースTAB譜「Cメジャーブルース12小節」ブルース的アプローチ
全てのフレーズが、Cブルーノートペンタ一発のみ」で弾かれています。


②ビバップ的アプローチでの音源

こちらは前回に登場した「ビバップ的アプローチ」でのマイナーブルースの音源です。

ベースTAB譜「Cマイナーブルース12小節」ビバップ的アプローチ

そしてこちらが、同じソロフレーズをメジャーブルースに置き換えた今回の音源です。

ベースTAB譜「Cメジャーブルース12小節」ビバップ的アプローチ
Key=C(=Am)のメジャーブルースにおいて、純然たるKey=Cm(=Eb)のフレーズを弾いています。


③2つを組み合わせた音源

こちらは前回の「2つのアプローチの組み合せ」で登場した2つ目のマイナーブルースの音源です。先程のを前半後半でつなぎ合せただけの物です。(1つ目の音源は冒頭でご紹介済み)

ベースTAB譜「Cマイナーブルース12小節」2アプローチ組み合わせ②

そしてこちらが、同じソロフレーズをメジャーブルースに置き換えた今回の音源です。

ベースTAB譜「Cメジャーブルース12小節」2アプローチ組み合わせ②
結果として「マイナーブルース」で使用した全てのフレーズが「メジャーブルース」でも機能することがわかりました。この和声的に不思議な音楽である「ブルース」とは一体何なのでしょうか?



🐢そもそもの「ブルース」の概念

まず「マイナーブルース」ですが、これはメジャーブルースの派生として後から生まれたものだと思います。そして元祖の「メジャーブルース」こそが、独自の概念で成り立つ不思議な音楽です。

例えば、トニックやサブドミナントがM7thコードではなく7thコードであったり、そこで弾かれるメロディがマイナーペンタトニックであったりと、何かと使用されるノートに「」が付きます。

その「」が付いたノートのことを「ブルーノート」と呼んでいますが、そもそもの「ブルース」の概念とは、早い話が “ メジャーKeyの中で無理やりマイナーKeyを使用すること ” だと考えます。

そこで生じる不協和音こそを、我々は「ブルース」として認識しているので、マイナーKeyの中でマイナーKeyを使用する「マイナーブルース」は、その概念とは異なる別のジャンルともいえて、こちらは “ メジャーブルースのコード進行を無理やりマイナーKeyに変えた ” とも解釈できます。


🐢マイナスワン(カラオケ)

Cメジャーブルース

コード譜「Cメジャーブルース12小節×2」コード機能分類
Cマイナーブルース

コード譜「Cマイナーブルース12小節×2」コード機能分類
全てのコード機能を無視して弾ける、Cブルーノートペンタ一発のみ」の存在もお忘れなく。



🐢最後に

今回はジャズブルースにおけるアドリブソロの考え方「メジャーブルース編」をご紹介しました。

メジャーブルースでは「マイナーKeyを無理やり弾く」と結論付けましたが、コード進行を素直に受け止めて「メジャーKey」で弾くパターンも基本として存在します。要は伴奏にさえ合っていればそれが正解なので、視野を狭めずに色々と試してみてください。

ジャズは「自由な音楽」なので、こんなのもアリ(🐜)じゃないですかね(❗❓)


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