一般的にウォーキングラインを構築する際には、1拍目にコードの「ルート音」を配置して、残りの3-4拍目には「コードトーン」や「パッシングノート」などを用いて4分音符を埋めていきます。
しかしそれは小節内のコード数が「1つ」である場合の話であり、コードが小節内に2拍ずつ並んで「2つ」ある場合には、1拍目と3拍目で、小節の半分が「ルート音」だけで埋まってしまいます。
このような場合、ウォーキングラインを構築するうえでの選択肢が非常に狭まってしまい、ジャズの醍醐味でもあるアドリブ要素も薄れてしまい、結果として変化に乏しい演奏の内容になります。
それを割り切って受け入れるにしても、細かく切り替わるコード進行をアドリブで演奏するのには大変な集中力が必要になり、その苦労に見合ったフレージングのバリエーションも生まれません。
そこで今回・・・その解決法としてご紹介するのが、ベーシストがバンドメンバーには内緒 (?) にして、勝手に1人だけで細かいコード進行を「簡略化」してシンプルに演奏してしまう方法です。
コード進行がシンプルになれば、アドリブが楽になり、尚且つフレージングの幅も広がります。
実際に聴いてみると、想像していた以上に違和感がないかと思います。
オリジナルのメロディに対して、この簡略化したコード進行でも伴奏を無事に乗り切ることができました。つまりそれは他奏者のアドリブソロに対する伴奏においても通用することを意味します。
それでは、これと同じことを「ベース伴奏」でも実践してみます。
もしここでピアニストも一緒に簡略化コード進行を演奏してしまうと、それはコンファメーションではなくなり、単なる別の「シンプルなコード進行の曲」になってしまうからです。
しかしそれは小節内のコード数が「1つ」である場合の話であり、コードが小節内に2拍ずつ並んで「2つ」ある場合には、1拍目と3拍目で、小節の半分が「ルート音」だけで埋まってしまいます。
このような場合、ウォーキングラインを構築するうえでの選択肢が非常に狭まってしまい、ジャズの醍醐味でもあるアドリブ要素も薄れてしまい、結果として変化に乏しい演奏の内容になります。
それを割り切って受け入れるにしても、細かく切り替わるコード進行をアドリブで演奏するのには大変な集中力が必要になり、その苦労に見合ったフレージングのバリエーションも生まれません。
そこで今回・・・その解決法としてご紹介するのが、ベーシストがバンドメンバーには内緒 (?) にして、勝手に1人だけで細かいコード進行を「簡略化」してシンプルに演奏してしまう方法です。
コード進行がシンプルになれば、アドリブが楽になり、尚且つフレージングの幅も広がります。
🐢コンファメーションのコード進行を簡略化
こちらのコード進行は、チャーリー・パーカー「コンファメーション」の8小節間です。(Key=F)
2拍ずつコードが切り替わる小節が多く、テンポもBPM=200以上で演奏される大変忙しい曲です。これをアドリブでウォーキングするとなると、ほぼ「ルート音」を追うだけで精一杯になります。
というわけで、この複雑なコード進行を「簡略化」してシンプルにしてみましょう。
簡略化のイメージは「急行列車の停車駅」
電車には各駅停車のほかに、いくつかの駅を飛ばして走る「急行列車」が存在します。
路線の中で需要度が高い駅にのみ停車をすることで、利用者はとてもスムーズに移動ができます。そして大多数の乗客にとっては、その経路においても目的を充分に果たすことができるのです。
それはコード進行でも同じことで、必要なコードにだけ停車をして、不要なコードはスキップしても「目的」は果たせます。つまりはコンファメーションの「急行版コード進行」を作るわけです。
簡略化のターゲットは「Ⅱ-Ⅴの部分」
こちらは先程のコンファメーションの頭の4小節間ですが、ここには「Ⅱ-Ⅴ」が3つ存在します。
簡略化をするに当たり、これらⅡ-Ⅴの各々を「1コード」に変えてしまいます。
■2小節目「Em7(b5)-A7(b9)」
こちらは3小節目のDm7に解決をするマイナーⅡ-Ⅴです。今回はその解決へと向かうA7(b9)→Dm7の進行を尊重すべく、A7(b9)を残して、Em7(b5)を飛ばします。
■3小節目「Dm7-G7」
2小節目でA7(b9)を残した理由は、この小節のDm7につなげるためでした。ゆえに、この3小節目でDm7を飛ばしてしまうと本末転倒なので、Dm7を残して、G7を飛ばします。
■4小節目「Cm7-F7」
3小節目でG7が飛ばされたので、この小節のCm7への解決は消滅しました。また、この次にやって来る5小節目のBb7は、1小節目のFコードと同じく節目の始めとなる重要なコードなので、そこへスムーズに解決する理由も含めて、F7を残して、Cm7を飛ばします。
結果的に、このようなコード進行になりました。
5小節目から8小節目も簡略化
■6小節目「Am7(b5)-D7(b9)」
7小節目のG7につなげるために、D7(b9)を残して、Am7(b5)を飛ばしました。
7小節目のG7につなげるために、D7(b9)を残して、Am7(b5)を飛ばしました。
■8小節目「Gm7-C7」
冒頭1小節目のFコードにつなげるために、C7を残して、Gm7を飛ばしました。
冒頭1小節目のFコードにつなげるために、C7を残して、Gm7を飛ばしました。
これでめでたく、コンファメーション8小節分の「急行版コード進行」が完成しました。
因みにこれはほんの一例に過ぎず、他にも色々なパターンが考えられます。
因みにこれはほんの一例に過ぎず、他にも色々なパターンが考えられます。
🐢実際に簡略化されたコード進行を聴いてみよう
一旦ウォーキングベースのことは忘れて、純粋にピアノだけでコード進行を比較試聴してみます。
まずは初めに「オリジナルのコード進行」です。
そしてこちらが「簡略化したコード進行」です。
実際に聴いてみると、想像していた以上に違和感がないかと思います。
オリジナルのメロディに対して、この簡略化したコード進行でも伴奏を無事に乗り切ることができました。つまりそれは他奏者のアドリブソロに対する伴奏においても通用することを意味します。
それでは、これと同じことを「ベース伴奏」でも実践してみます。
🐢いよいよベースで簡略化コード進行を弾いてみる
さっそく音源を聴いてみましょう。
このベースラインは、簡略化したコード進行をあえて単純な「トライアド」のみで弾いています。
そしてピアノ伴奏は、簡略化していない「オリジナルのコード進行」を弾いているのです。
そしてピアノ伴奏は、簡略化していない「オリジナルのコード進行」を弾いているのです。
ピアノは簡略化コード進行を弾かないの?
冒頭でもお伝えした通り、ベーシスト1人がメンバーには内緒で簡略化コード進行を演奏します。よって、バンド会議などで簡略化コード進行についての「打ち合わせ」はしません。
もしここでピアニストも一緒に簡略化コード進行を演奏してしまうと、それはコンファメーションではなくなり、単なる別の「シンプルなコード進行の曲」になってしまうからです。
因みにこれらを理論的に解釈すると、メンバー間で微妙に違うコード進行を演奏することにより、結果として「分数コード」に近いアンサンブルになります。
マイナスワン(カラオケ)
今回はわかりやすく、単純なトライアドだけでウォーキングラインを構築しましたが、コード進行が簡略化されることで余裕も生まれるので、トライアド以外でも簡単に活用できるかと思います。
こちらの音源は、先程の音源からベースパートだけを抜いたマイナスワン(カラオケ)です。
簡略化コード進行、またはオリジナルのコード進行など、実験的に色々と弾いてみてください。
🐢最後に
今回は「コンファメーション」を題材に、複雑で細かいコード進行の曲を簡単にウォーキングする方法をご紹介しました。心にゆとりを持つことで、演奏はより良いものになるかも知れません。
ジャズは「自由な音楽」なので、こんなのもアリ(🐜)じゃないですかね(❗❓)
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